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40Gbpsの「QSFP+」、50Gbpsの「QSFP56」、112Gbpsの「SFP-DD」「QSFP28」

QSFPを10倍の引き上げた10Gbps×4の「QSFP+」、「SFF-8436」として標準化

 前回も掲載した以下の表のように、「SFP28」の次にあたる規格が「QSFP+」である。もともとは4Gbpsに対応した「QSFP(Quad SFP)」という規格が、2006年11月に「SFF-8438」としてリリースされていた。

40Gbpsの「QSFP+」、50Gbpsの「QSFP56」、112Gbpsの「SFP-DD」「QSFP28」

規格名速度
SFP2825Gbps
QSFP+40Gbps
SFP5650Gbps
SFP-DD100Gbps
QSFP28100Gbps

 4GbpsというのはEthernetの仕様にはないのだが、これはFiberChannelの2GFC/4GFC、加えてInfiniBand 4xが主な用途である。要するに、4つ分のSFPを1つのモジュールにまとめた格好であり、信号線を見ると1Gbpsの信号4対分が38ピンのコネクタに収められている。

QSFPのピン配置。38ピンとなり、ここにTX/RXともに1~4ピンが並んでいることが分かる。出典はSFF-8438のFigure2モジュール形状のレンダリング画像例。SFPに比べてやや横長になった。出典はSFF-8438のFigure6

 このコネクタを収めるため、QSFPでは右のように少しだけ横幅が大きくなった。SFPの45×13.7×8.6mmから、QSFPでは52.4×18.35×8.5へと大型化している。ちなみに前回挙げた規格で言えば、SFP28/SFP56/SFP-DDはSFP/SFP+と、QSFP+/QSFP28/QSFP-DDはQSFPと同じ寸法となっている。

 話を戻すと、このQSFPの信号速度を10倍の10Gbpsに引き上げたのがQSFP+となる。こちらは「SFF-8436」として標準化が行われた。このSFF-8436、実はChange Historyが3.5からスタートしていて1.0がリリースされた日付が不明なのだが、2009年11月16日にMolexからこんなリリースが出ているあたり、恐らくこの当時に1.0がリリースされたのではないかと思う。

最初に見た時には「蓋?」とか思ってしまった。出典はSFF-8436のFigure6

 こちらは40/10/1GbEのほかに、FiberChannelの10/8/4/2GFC、InfiniBand SDR/DDR/QDRの4x/2x/1xで利用できるということで、それなりに広範に利用された。ちなみにSFF-8436では、右のようなかたちでモジュールが定義されている。

 この蓋はグリップで、要するにモジュールを機器から引っこ抜く際に、何かグリップがあった方が便利(というか、なければ大変)ということのようだ。グリップそのものはSFF-8436の仕様には含まれておらず、金属あるいはエラストマー製で、これを付加した状態でモジュールがEMI及び熱設計的に仕様を満たしていれば何でもいい、となっている。

 実際には、例えば、FSのCisco互換QSFP+モジュールのように、樹脂製で指を掛けて引っ張りやすい形状のグリップが利用されるのが一般的である。