カウンターポイント社アソシエイトディレクターJan Stryjak氏は次の通り述べています。「欧州スマートフォン市場が2021年に成長したことは、大変に喜ばしい。しかし、それで話は終わりではない。COVID-19の影響で、2020年の売上は年間で14%落ち込んだ。そのため、コロナ流行前の水準と比べれば、現状はまだかなり低いレベルにある。」図1: 欧州スマートフォン市場における通年売上ベースのシェアと成長率出典: カウンターポイント社Market Pulse Q4, 2021Stryjak氏は次の通り付け加えています。「Huaweiの減少は、市場動向に影響を与えた。Huaweiの欧州での2021年売上はほぼ9割減少し、1%未満のシェアで第8位となった(2020年の第4位から後退)。Huaweiが欧州で忘れられる一方で、他社、特に中国のメーカー数社にとっては業績の伸びを祝う年となった。」欧州における1年の浮き沈みベンダー間の競争は2020年から激しくなっていましたが、2021年は特に今までにない激しさとなり、欧州市場の首位は1年で4回入れ替わり、そのうち一部企業は欧州で過去最高の売上を記録しました。図2: 2021年欧州市場における売上シェア出典: カウンターポイント社Market Pulse Q4, 2021Appleは、同社初の5G iPhoneの発売で波に乗り、34%のシェアで首位となり好調な滑り出しをみせました。2月に入ると、SamsungがGalaxy S21シリーズを発売し、少なくとも最初のうちは、売れ行き好調で、Samsungの売上は1月より24%増え、2021年2月に首位に立ちましたが、その後5月頃からSamsungは、ベトナムの工場がCOVID-19の影響で操業停止となったため、深刻な部品不足に悩まされました。これがXiaomiに利する形となり、また、ロシア、スペイン、イタリアでの高成長があったため、2021年6月に同社は欧州で初めて首位となりました。しかし、Xiaomiの天下も長続きせず、Samsungは、Aシリーズの販売好調により、2021年7月にSamsungが首位を奪還しました。Samsungはその後も、人気機種となったGalaxy Z折り畳み型スマートフォンの発売で業績を伸ばし、一方のXiaomiもまた部品不足で大打撃を受けました。その後の数か月、Samsungは首位をキープしました。Appleは善戦したものの、iPhone 13の発売は2021年10月まで遅れましたが、例年年末に強いAppleは2021年11月に首位となり、その勢いで2021年12月には欧州におけるシェアが過去最高となりました。2021年後半で困難があったものの、Xiaomiは欧州において過去最高のスマートフォン売上を記録し、2021年を終えました。これは、比較的最近欧州に参入した、OPPO(2021年6月のOnePlusとの合併で業績加速)、realme、それにvivoも同様でした。これら新規参入組は、今後数か月以内に発売するだろうフラグシップ機種を含め、今年の欧州市場攻略の大規模なプランを立てています。迎え撃つSamsungは最新のフラグシップ機種S22が前身機のS21やS20より売れると想定していますし、Appleは最新のiPhone SEを投入するとの噂があり、年の半ばから業績を後押しすることでしょう。加えて、Motorola、Nokia HMD、HONORも欧州経済の復調に乗ろうと狙っており、2022年の欧州はこれまでにない厳しい競争が繰り広げられることが予想されます。図3: 第4四半期比較 欧州スマートフォン市場 売上ベースのシェアと成長率出典: カウンターポイント社Market Pulse Q4, 2021【カウンターポイント社概要】Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。公式ウェブサイト:https://www.counterpointresearch.com/※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。
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