Huaweiが9月10日に開発者会議「HUAWEI DEVELOPER CONFERENCE 2020」を開催。Consumer Business GroupのCEO、リチャード・ユー氏が基調講演を行い、独自OSの最新版「HarmonyOS 2.0」を発表した。
カジュアルな服装で登壇したリチャード・ユー氏HMSでは180万のアプリ開発者がいる
Huaweiはスマートフォンやその周辺機器を含む、フルラインアップ戦略の「All-Scenario」を推し進めている。2019年には2億4000万台のスマートフォンを出荷し、マーケットシェアは中国とグローバルで1位に。ウェアラブルデバイスやスマートウォッチ、タブレットでも上位3位内に位置し、ノートPCやTWS(True Wireless Stereo)イヤフォンでも業績を伸ばしている。
全方位、フルラインアップ戦略の「All-Scenario」を掲げている2019年は2億4000万台を出荷。2020年も前期で1億台を超しているさまざまなデバイスで好業績を残しているHMS(Huawei Mobile Services)も大きなプラットフォームに成長。180万のアプリ開発者がおり、アクティブユーザーは4億9000万、アプリのダウンロード数は2610億に上る。
また、モバイルWi-Fiルーターやホームルーターなどを一元的に管理できるアプリ「HiLink」と接続するプロダクトモデルは3000以上。800社以上のパートナーと共同開発しており、2億2000万以上の製品が出荷されている。
HMSは世界第3位のアプリプラットフォームに成長HiLinkでつながるルーターなども数多く出荷されているユー氏は、HiLinkとHarmonyOSを利用することで、ハードウェアベンダーは簡単にスマートデバイスを開発でき、ユーザー体験もよくなるとアピール。これらのプラットフォームは開発者やパートナー企業に完全にオープンだと、開かれた姿勢を示した。
オープンな姿勢をアピールカメラや近距離無線通信の開発者キットも
ユー氏はHMS向け開発キットの一部も紹介した。
「Camera Kit」では高度な写真撮影機能が提供され、ポートレートモードやHDR、背景ぼかし、夜景モードなどで動画や静止画の画質が向上する。
「Share Kit」は通常のAndroidよりも80%速い、最大160Mbpsで近距離無線通信が可能になるという。「Cast+ Kit」は低遅延で省電力のマルチスクリーンコラボレーションを可能にし、「Wireless Kit」はパケットロスを削減し、5GやWi-Fiなどのワイヤレス通信を最適化する。
高度なアプリを簡単に開発できるさまざまな開発キットを提供するAR関連では「Cyberverse」と呼ばれる機能が開発され、これを利用することで、地図はARによる道案内が可能になる。
「HiCar」は、スマホとクルマのインフォテインメントシステムを接続。スマホで使っているサービスがインフォテイメントシステムで使えるようになる。20以上のメーカーの150以上の車種をサポートしており、2021年には500万台以上のクルマに搭載される予定だ。
HiCarは欧州メーカーを含む多くのメーカーのクルマをサポートするセキュリティ強化にも尽力
業界団体や医療機関、さまざまな研究機関と提携している研究プラットフォーム「HUAWEI Research」もパートナー企業に提供。「HUAWEI Research Cloud」や「HUAWEI Research Kit」など最先端技術を開発者に提供することで、開発者はアプリ開発や事前調査に、より利便性の高いサービスを利用できるようになるとしている。
HUAWEI Research「HUAWEI HiLink」はIoTデバイスのエコシステム。ワイヤレスイヤフォンなど各種IoTデバイスを管理する「AI Life」アプリのインストールは4億に達し、毎日約11億のインタラクションがある。HiLinkエコシステムを使えば、家の中のあらゆるIoT機器を簡単にコントロールできるという。
さまざまなデバイスのデータを扱う中で、「プライバシーとセキュリティは、Huaweiにとって常に最優先事項」だとするユー氏。HarmonyOSのTEE(Trusted Execution Environment)はコモンクライテリアEAL5+で、業界で最高のセキュリティ認証を受けていると胸を張った。プライバシーとデータを保護するために4層暗号化を採用し、世界各地に15のデータセンターを展開していることも紹介した。
2020年内にスマートフォン向けHarmonyOSを展開