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3Dデータを他部門にも共有して全社でうまく活用したい……:テルえもんの3Dモノづくり相談所(9)(1/3 ページ)

 皆さん、こんにちは! “テルえもん”こと、小原照記です。本連載「テルえもんの3Dモノづくり相談所」では、3Dモノづくりを実践する上で直面する“よくある課題”にフォーカスし、その解決策や必要な考え方などについて、筆者の経験や知見を基に詳しく解説していきます。

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 それでは早速、今回のテーマを見ていきましょう。

今回のテーマ:相談ファイル(9)

設計部門が3D CADで作成した3Dデータを、社内の他部門とも共有してうまく活用したいのですが……。どのような手段や活用法があるのでしょうか?

テルえもんの対応

 設計業務を行う部門では、3D CADを導入して3Dで設計しているにもかかわらず、後工程の業務が2D図面中心で進められているといったケースも少なくありません。せっかく作成した3Dデータを、設計部門以外でも活用して業務が進められるようになれば、さらなる作業効率化や品質向上などが見込めるはずです。

3Dデータを他部門にも共有して全社でうまく活用したい……:テルえもんの3Dモノづくり相談所(9)(1/3 ページ)

 今回は「設計部門が3D CADで作成した3Dデータを他部門へ共有し、社内全体で3Dデータを活用していく方法」について詳しく解説します。

ビュワーを活用して3Dデータを共有/活用する

 3Dデータを他部門で確認(閲覧)する際、設計部門で使用している同じ3D CADをわざわざ導入する必要はありません。もちろん、3Dデータの作成が目的であれば3D CADの導入(機械系のものだと100万円以上する場合も)が必要ですが、3Dデータを見て確認するだけであれば「Viewer(ビュワー)」を活用するという手があります。

 3D CADに付属しているビュワーもあれば、Webブラウザ上で3Dデータを閲覧できるものもあり、無償/有償とさまざまです。

 有名なものとしては「3D PDF」があります。3D PDFは一般的なオフィス業務でも使用されている無償の「Adobe Acrobat Reader」で閲覧できますが、利用するには3D CADで作成した3Dデータから3D PDF形式のデータへエクスポートする必要があります。3D CADの種類によっては3D PDFでの書き出しに対応しているものもありますが、非対応の場合にはコンバーターを別途購入するか、別の方法を考える必要があります。

図1 左:「Adobe Acrobat Reader」で3D PDFを閲覧している例/右:iPadのアプリ「eDrawings」で3Dデータを閲覧している例[クリックで拡大]

 ビュワーで閲覧できる3Dデータは、一般的にポリゴン形式やメーカー独自形式のデータが用いられ、3D CADで作成されたものよりもデータ容量が軽量化されています。また、ビュワーには形状変更以外の機能、例えば寸法(サイズ)を確認したり、断面を切ったり、注記を付加したりなどの形状確認に特化した機能が搭載されています。データが軽いため、ハイスペックなPCやワークステーションがなくても、一般的なPC環境で3Dデータをクルクルと軽快に回しながら、さまざまな角度から形状を確認できます。

 ただし、ビュワーはあくまでも3Dデータの閲覧(形状の確認)が目的であるため、CAMやCAEなどの作業を行う場合には、3D CADとのデータのやりとりが必要になります。なお、データ交換に関するトラブルとその解消方法については、連載第7回「受け取った3D CADデータをインポートしたら形状が破損していた……」を参考にしてください。

図2 3D CAD「SOLIDWORKS」で作成した3Dデータを変換してビュワー「eDrawings」で表示させた例。ビュワーに取り込んだ3Dデータの方がデータ容量が軽量化されている[クリックで拡大]

 最近ではタブレット端末で3Dデータを確認できるアプリケーションも数多く登場しており、担当者がタブレット端末を片手に、製造現場で3Dデータを確認しながら組み立て作業を行ったり、営業先で3Dデータを見ながら打ち合わせを行ったりなど、さまざまなシーンで活用されています。何よりも、重たくてかさばるモバイルワークステーションやノートPCを持ち歩かずに済むというのは大きな利点ですね。

 また、Webブラウザ上で3Dデータを閲覧できるビュワーもあります。PCのスペックなど利用環境に依存せず、インストール不要で、インターネット接続環境さえあれば、どこからでも使用可能です。中には、パスワードや権限を設定できるものもあり、セキュリティ面でも安心して利用できる環境が整備されています。

 その他、離れた場所にいる複数の関係者同士で設計検討やデザインレビューなどを行う際、共通のプラットフォームなどを介してリアルタイムにつながり、3Dデータを確認しながら打ち合わせを行ったり、コメントや情報をやりとりしたりできるものもあります。

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