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【夏休み自由研究】ゲーム配信の実体験に基づいたオススメ機材構成紹介―ミドルスペック編

前回はキャプチャーボードも使わない、ゲームハードとPCをローカルネット経由で接続してゲーム画面を取り込むという、極力お金を使わないドケチな機材構成を紹介した。

今回は現場や自宅でも実際に使用しているキャプチャーボードを紹介しつつ、こちらの機材構成もお伝えしたい。機材の考えかたも理解してもらえるとより良いので、ぜひ前回のコラムも併せて読んでほしい。

前回のコラム:実体験に基づいたオススメ機材構成紹介―超低予算編

キャプチャーボードを使ってみる低予算コース

ゲーム映像をリモートプレイの映像ではなく、ちゃんとした形で取り込みたい――そういった人にはキャプチャーボードを利用することをオススメする。キャプチャーボードはゲームやカメラなどの映像信号をデジタルデータに変換してPCに取り込む機械。一般的なゲーム実況ではゲーム映像を取り込む際に使われるが、配信スタジオの現場などではカメラの映像含めた映像スイッチャーから出た最終映像の取り込みとして使われる。

変換にはPC上で行われる「ソフトウェアエンコード」と、キャプチャーボード自体が変換を行う「ハードウェアエンコード」の2種類があり、ソフトウェアエンコードはGPUが必要なためPCに負荷がかかり、ハードウェアエンコードはPCにへの負担が少なく済む。もちろん、ハードウェアエンコードタイプのものは本体価格が高額となっているので、お金にゆとりのある人にしかおすすめできない。

ここで注意して欲しい点として、実況生配信を想定している人がネットショップ等で脊髄反射で購入しないよう注意して欲しい。というのも、キャプチャーボードには録画のみに機能を絞ったものもあるので、PC取り込みの可否をちゃんと確認すること。

現在、世に出ているキャプチャーボードには「パススルー」という機能が備わっている。これはどういったものかというと、機械のOUTから出る映像の遅延がほぼなくモニター上に映すことができるもの。これを使うことでHDMI分配器を使う必要がなくなるため、非常に便利だが、僕は現場で作業する上で「一機材、一機能」の観点から頻繁には使わない。

他にもキャプチャーボードには内蔵型と外付け型の2つがある。内蔵型はグラフィックボードと同じようにデスクトップPCのタワーケースを分解して入れるもの。外付け型はUSBでPCに接続する。どちらが良いかは人それぞれになるが、ノートPCで配信、収録をしたい人は外付け型を買うしか無い。

ここまで話を聞いただけでお腹いっぱい、頭がパンクしてしまうかもしれないが、注意するべきことがもう一点ある。それはキャプチャーボードが認識する信号だ。キャプチャーボードにも色々あって、インターレース信号に強い物と、プログレッシブ信号に強い物がある。ここでインターレースとプログレッシブの違いについて話をすると大きく脱線するため、ひとまず置いておく。ただ、これだけは覚えておいてもらいたいのは、映像を各配信サイトに送り込むには「プログレッシブ信号」に統一すること。インターレースにすると激しい動きの映像に横線が激しく入ってしまうからだ。

対応fps値が異なっているという事もある。現在はほぼ全ての信号とfpsに対応しているが、間違ったキャプチャーボードを買ってしまった場合は間に変換機をかまさなければならないか、買い直しになるので慌てずに確認して確認して欲しい。なお、キャプチャーボードからゲーム映像を取り込んだ際は、ゲームの音もキャプチャーボードに入っているため、構成によってはOBS上で音量の調整をすることになる。

さて、ここまでの話を踏まえてオススメのキャプチャーボードを紹介していく。なお、以降紹介する製品の価格は記事執筆時点のものであることを了承いただきたい。

I-O DATA GV-USB3HD/E(外付け型)価格:1万6766円

キャプチャーボードというものはどうしても高いもので、実用性と耐久性を踏まえたらこのくらいの値段からスタートする。中でもコストパフォーマンス、コスパに優れていると評価できるのがこれ。実際に仕事の現場でも使っていてこれと言った不便を感じたこともない上、対応信号も1920×1080p(60&59.94 fps)、1920×1080i(60&59.94 field)、1280×720p(60&59.94 fps)、720×480p(60fps)と現在メジャーな信号に対応している(因みにPS4、PS5は59.94fps Nintendo Switchは60fps)。

一点難点なのが、対応したソフトウェアをインストールした後、OBSの方で映像キャプチャデバイスの設定から「音声の取り込み」をこのデバイスに指定しないとOBS上に反映されないというトラップがあるので気をつけて欲しい。また、ソフトウェアエンコードのため、使用する際にはPCに多少負荷がかかることを念頭に入れおくこと。

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Drecap DC-HC4FSPEC(内蔵型)価格:1万7423円

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内蔵型でブランド力を重視するならAVerMediaの物をおすすめしたいが、安く済ませたいならこの商品で十分。何よりHDMIの入力端子が2つもついている点は、配信中にゲーム機を切り替えるのにすごく便利である意味感心する。その分、パススルー機能がないのでPC上でゲーム映像を見てプレイすることになるが、別途、HDMI分配器を購入すると解決する。対応信号も1080p60/50/30/24、1080i30、720p60/50、576p50、480p60とPS3以降に発売されたHDMI機全てに対応している。

また、AVファミコンやスーパーファミコンなどの赤白黄色の3色ケーブル(RCAケーブルという)のクラシックゲームの収録、実況配信には次の機材がおすすめ。

I-O DATA GV-USB2 価格:3288円

この機材はUSBで直接PCに取り込む外付けタイプのキャプチャー機だが、非常に汎用性が高く、コスパも良い。以前のコラムではアマレコというソフトを介してOBSに取り込む方法を紹介したが、この機材も最近はOBSの「映像キャプチャデバイス」で問題なく取り込めるようになった上、少し細かな作業が入るものの、安定した映像を取り込むことができるためこちらの方法をおすすめする。ただ、デフォルトではインターレース信号として受け取っているので、こちらもインターレース解除を施さないといけないのも注意。音声もOBS上で操作する必要がある。

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詳細は次の通りだ。シーン作成後、ソースから「映像キャプチャデバイス」を選択して「GV-USB2~」を選択(名前もわかりやすくGV-USB2としておくと良い)。

選択後、映像が正常に取り込めていれば成功。その後、ソース上にある「映像キャプチャデバイス」を右クリックして、「インターレース解除」を選択して、好みのモードを選択(インターレースの解除の方法によっては遅延が発生するのでよく検証すること)。

一点この機材の欠点を上げるなら、インターレースを解除するとやや遅延が発生したり、そもそも取り込む先がPC上に限定されるため、必然的にPCのモニターを見ることになる。そのため、快適なゲームプレイをするには次の分配ケーブルを用意すると良い。

フジパーツ 分配AVケーブル 3ピン-6ピン 2m FVC-131 価格:1950円

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ゲーム実況配信のおすすめミドル構成はこれ

ここからはいきなり、機材をいくつか紹介していこう。配信構成として、配信者の顔を大きく映した自撮り、ワイプ付きのゲーム実況、配信者の音声はUSBマイク、又は既存のマイク端子に接続する想定で取り込み、ゲーム映像と音声もキャプチャーボード経由で取り込むことを想定すると次のようになる。まずはWebカメラから。

ロジクール C920n 価格:7000円

このWebカメラは1080p、720pそれぞれ30fpsのもの。本体にはスピーカーとマイクも内蔵されているが使うことはまずない。Webカメラ内臓の自動調光機能も良いため、少し暗い部屋の中でもゲインを上げて良い映像美を構成してくれる。正直言って現状これで十分すぎる。もし、60fpsにこだわりたいなら倍の値はするが次の機材が良い。

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【夏休み自由研究】ゲーム配信の実体験に基づいたオススメ機材構成紹介―ミドルスペック編

ロジクール C980GR 価格:1万8293円

こちらはケーブルの先端がUSB-Cになっているため、使用するPCによってはUSB3.0に変換しなくてはいけないが、なめらかな自分を映したいというのならオススメできる。

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以上のWebカメラはユニバーサル・マウントの穴があるため、カメラの三脚などを取り付けることもできる。お気に入りのアングルがあるなら積極的に使うと良い。三脚だと、サンワサプライ CMS-STN1BK(税込1548円)などがある。

続いて紹介するのはマイク。1万円未満の物を紹介していく。

サンワダイレクト ピンマイク 400-MC018 価格:3480円

値段を見たら先程のSONY製のハンドマイクとほぼ同じなので、このカテゴリに入れるべきか疑問に思うかもしれないが、これはこれまでに紹介したUSBから給電するタイプのコンデンサーマイクとは違って、ボタン電池のLR44から給電する。

これは僕がとある仕事に向けた試用としてバクチで買ってみたものだが、値段以上に満足した物。有線ピンマイクは安いものだと2,000円程度で販売されている。が、その殆どはマイクが自前で電源を持たないものだったりする。これの大きな利点は後述する。

このマイクは単一指向性ではなく、全方向性となっているため、周囲で発生した雑音を拾ってしまうという欠点はあるものの、音質も特筆して悪くなく、僕は流れで先に紹介したソニーのECM-PCV80Uの後にこれを購入したため、USBのサウンドカードを使用している。そのため更に音質が良くなっている。一点、不満点を言うなら電池を格納する部分と、マイクの部分が金属の性質として人の肌が触れた際微弱な静電気でノイズを起こすことがある。触れなければ問題ないので、使う人は注意して欲しい。また、ノイズに関して話をすると、電池切れを起こすとノイズがけたたましいので、常日頃からLR44のストックは用意しておくべき。

ピンマイクは場所も取らない上に、ゲインで音を上げる必要もあまりないので音割れを起こす心配もない上、声が小さい人でも拾いやすくなるので防音の乏しい住宅に住んでいる人にもおすすめしたい。

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Marantz Professional  MPM-4000U black 価格:9566円

こちらはUSB給電式の単一指向性コンデンサーマイク。同じような形状のマイクはこの価格よりも下の帯域にゴロゴロあるが、このマイクをお勧めできる理由はマイクの本体にボリュームとゲインのつまみがあること。マイクに限らず小さい音を後から増幅させると音が壊れてしまうため、音を送り込むときには最初に音の大きさを決め込んでおいて、映像とミックスした時に最後の調整をする。というのが望ましい。その為、価格は高いが相応の効果を出してくれる。

続いて高価格帯で現状オススメのキャプチャーボードの紹介だが、USB接続の外付けタイプは先に紹介したもの以外、似たりよったりなところがある。そのため、内蔵型と少し変わり種を紹介する。もちろん実用レベルだ。

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AVerMedia Live Gamer HD 2 C988 価格:2万3600円

映像キャプチャデバイスの大手ブランド、AVerMedia社の内蔵型キャプチャーボード。1080p/60fpsの入力、パススルーはもちろん、ステレオ音声の入力とパススルーも備えている。その為リズムゲームなど、映像と音の遅延が許されないゲームを実況プレイする時に最適だ(そもそも音楽関係は配信終了後にお取り潰しになることもあるが・・・最近の事例だとPS4の『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』をプレイしたらPS4から実況配信可能なのに配信枠を潰された。まぁ仕方ないけど釈然としない)。

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一方で次に紹介するものはステレオ入力と出力は備えていないもの、4Kの配信、収録としては次がオススメ。

AVerMedia Live Gamer 4K GC573 価格:3万4900円

価格の高さに頭が持っていかれてしまうが、このキャプチャ機は4K 60fpsを出せる上に1080pだったら最大240fpsまで入力できるため、価格相応のスペックとなっている。これらはいずれもソフトウェアエンコードのキャプチャ機なので、PCもそれなりのスペックを用意することになるが、内蔵型の利点として、部屋の邪魔にならないというのがあるので、予算に余裕があれば内蔵型をオススメする。

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Blackmagic Design Intensity Pro 4K 価格:2万4980円

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もう一つのオススメはこちらも業務用大手映像機器メーカー、Blackmagic Design社の内蔵型キャプチャーカード。4K入力もできるが先程のものと比べて30fpsのみの入力となっている。ここまで上げた内蔵型のキャプチャーカードではこれが断然オススメ。というのも、前2つに紹介したBlackmagic Design社の機器はスペックの低いPCでも動作するように設計されているため、PC上の作業を妨害しない。そのため、高負荷のエンコード作業を行っていてもクラッシュすることがない。僕も個人配信、仕事両方で前世代機の「Intensity Pro」並びに外付け機ではあるが「Intensity Shuttle」という一昔前のものを使っている。

Intensity Proの方は現在、中古で7,000円程度でも販売されており、保証のあるところで買うならこちらでも十分。ただし、ゲーム機の出力できるプログレッシブ信号に限定すると720p/60fpsか720p/59.94fpsしか対応できていないため、1080pでの配信は諦めたほうが良い(正確には1080pも入力できるが、30fpsまでしか対応していない。1080iは60fpsまで対応している)。現状なら、このIntensity ProかIntensity Shuttleで十分だと思う。(本音としては、そろそろ上位機のPro 4Kにアップデートしたい……)

ただ、これらBlackmagic Design社のキャプチャーボードは、パススルー機能がやや弱く、若干ラグが生じてしまう。その為、間にHDMI分配器を噛ませる必要がある上、HDMI分配器をかませると極稀に映像、音の受信がうまくいかないときがある。故障と判別をつけるためにもこちらは少し専門性、というより不具合が生じたときの解決策を自分で調べる能力が要求される。

また、Intensity Pro、Intensity Pro 4K共にRCAやS端子の入力を補助するブレイクアウトケーブルが付属しており、ファミコンをはじめとしたクラシックゲーム機の映像を取り込むことができる。

I-O DATA GV-HUVC/4K 価格:1万9500円

パススルーもなにもいらない。とにかくゲーム映像さえ取り込めればそれでいいんじゃ!という男の中の男のような単純な映像キャプチャ機。1080pや720pは最大60fpsで入力でき、なんと30fpsだが4Kまで入力できる。見たときにはここまで映像キャプチャ機は簡素化できるものなのかと深く感心させられた。

ただ、結局のところ、4Kが30fpsだとゲーム機の入力は出来ないので値段相応と入ってもゲーム配信の観点からオーバースペックになってしまうのは否めない。また、ソフトウェアエンコードのため、動かすには現在のミドルスペックよりやや下くらいのPCを用意しないといけない。一般人の配信としては十分使用可能なレベルだと思う。

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HDMI分配器を使用するなら次のものをオススメする。

グリーンハウス GH-HSPE2-BK 価格:1582円

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グリーンハウスのものは経験上安定しているため比較的オススメできるが、最近はUSBからの給電方式になっているのが若干不満だ。もし不安を覚えるなら倍額かかってしまうが、他社製のものを検討したほうが良い。ラトックシステム RS-HDSP2P-4KA(税込4770円)などを挙げておこう。


ハタフミノブ(@hata_fuminobu)はフリーのライター兼Web生放送ディレクター。かなり有名な配信者とはなしていて納得させられたのは「フォロワーや登録者数、アクティブ数よりも今来ているリスナーがとても大切だよ」という言葉。確かにそうだと思いつつ僕も配信してます。誰かって?名前を出すと急に説得力が無くなりそうなのでこの辺で。