異なる設計のCPUコアを統合したAlder Lake
今回テストする新CPUは、最上位モデルで16コア24スレッドCPUの「Core i9-12900K」と、10コア16スレッドCPUの「Core i5-12600K」だ。いずれも10nmプロセスを発展させた「Intel 7」プロセスで製造されたAlder LakeベースのCPUで、CPUソケットにも新設計のLGA1700を採用している。

Alder Lakeでは、「Pコア(Performanceコア)」と呼ばれる高性能CPUコアと、電力効率に優れた高効率CPUコア「Eコア(Efficientコア)」という、異なる設計のCPUコアを統合するハイブリッドアーキテクチャが導入された。Alder LakeのPコアはHyper-Threadingに対応する「Golden Cove」アーキテクチャを採用し、Eコアには省電力CPUコアを発展させたの「Gracemont」アーキテクチャを採用している。
CPUコア以外の機能も刷新されており、CPUに統合されたdGPUのPCI ExpressがGen 5(PCIe 5.0)に対応したほか、新規格のDDR5メモリにも対応した。なお、Alder Lakeのメモリコントローラは従来のDDR4メモリもサポートしており、マザーボードが搭載するメモリスロットの仕様に応じてDDR5とDDR4のいずれかを利用できる。
Alder Lakeはスペック上の電力指標が変更されており、これまで発熱や電力設計の指標として用いられてきた「TDP」に代わって、「Processor Base Power(PBP)」と「Maximum Turbo Power(MTP)」という新たな電力指標が導入された。PBPは従来のTDPと同じくベースクロック時の最大消費電力と同義の数値で、MTPはTurbo Boost動作を制限する消費電力の上限値である。MTPはCPUの最大消費電力を知る手がかりとなるが、実際の電力リミット値はマザーボード固有の設定値に依存する点に注意が必要だ。
| モデルナンバー | Core i9-12900K | Core i5-12600K |
|---|---|---|
| CPUアーキテクチャ | Golden Cove + Gracemont | Golden Cove + Gracemont |
| 製造プロセス | Intel 7 | Intel 7 |
| Pコア数 | 8 | 6 |
| Eコア数 | 8 | 4 |
| CPUスレッド数 | 24 | 16 |
| L2キャッシュ | 14MB | 9.5MB |
| L3キャッシュ | 30MB | 20MB |
| ベースクロック | 3.2GHz(Pコア)、2.4GHz(Eコア) | 3.7GHz(Pコア)、2.8GHz(Eコア) |
| ブーストクロック | 5.1GHz(Pコア)、3.9GHz(Eコア) | 4.9GHz(Pコア)、3.6GHz(Eコア) |
| Turbo Boost Max 3.0 | 5.2GHz | 非対応 |
| CPU内蔵GPU (iGPU) | Intel UHD Graphics 770 | Intel UHD Graphics 770 |
| GPU実行ユニット(EU) | 32 | 32 |
| GPUクロック(最大) | 1.55GHz | 1.45GHz |
| 対応メモリ | DDR5-4800(2ch)、DDR4-3200(2ch) | DDR5-4800(2ch)、DDR4-3200(2ch) |
| PCI Express | PCIe 5.0 x16、PCIe 4.0 x4 | PCIe 5.0 x16、PCIe 4.0 x4 |
| Processor Base Power | 125W | 125W |
| Maximum Turbo Power | 241W | 150W |
| 対応ソケット | LGA1700 | LGA1700 |


