You are using an outdated browser. For a faster, safer browsing experience, upgrade for free today.

ユダヤ人を虐殺したドイツが日本を諫める偽善と、それを喜ぶ韓国

(ファンドビルダー:韓国コラムニスト)

2015年、ドイツのメルケル首相が訪日した(3月9~10日)。メルケル首相が飛行機のタラップを降りる姿が、新聞1面のトップで報道された。あるメジャー紙は、全36面中、メルケル首相関連の記事を6面にわたって扱った。そのうちの1面は全面記事であった。その日、同新聞の全面広告が13面であったという点を考慮すれば、純粋な記事紙面の30%に近い分量を、メルケル首相関連の内容で埋め尽くしたということである。

ところで、これは日本の新聞のことではない。韓国の新聞だ。TVなど、韓国の他のメディアもまた、メルケル首相の訪日を大々的に報道した。訪日したメルケル首相に対する関心は、日本よりも韓国の方がはるかに大きかった。

ユダヤ人を虐殺したドイツが日本を諫める偽善と、それを喜ぶ韓国

どうしてこのような現象が起きたのだろうか。それは韓国メディアの報道内容を見れば、一目瞭然である。韓国の代表的な新聞、朝鮮日報の見出しは以下のようであった。

「メルケル、『日、慰安婦問題きちんと解決すべき』」1面トップ「反安倍陣営の朝日、岡田を連日探すメルケル」3面トップ「日、戦争しておきながら自らを犠牲者と美化」3面「大多数の日メディア『メルケル辛口発言』を無視あるいは縮小報道」3面「反省の10年メルケル…ヨーロッパを越え世界のリーダーに」18面トップ「歴史否定の4年、安倍…週辺国の悩みの種に」19面トップ「対米、韓日外交戦の勝敗が決まり始めた」34面「メルケルが変わりつつある」35面

36面中、18面と19面は中央の見開きページである。ここにそれぞれ「反省の10年メルケル・・・」と「歴史否定の4年、安倍・・・」というトップ記事を並べ、「ドイツは立派だが、日本は悪い」という形で比較している。

2019年8月、文在寅大統領は、「ドイツが、過去に対して誠実に反省と(中略)近隣諸国と和解し、国際社会で信頼を得る国になったことを、日本は心に深く刻まなければならない」と、日本に向かって警告するような発言をした。

韓国人は非常にドイツ好きである。ドイツが、過去の過ちを誠実に反省し謝罪する模範的国家であると、信じているからだ。そして、このようなドイツにくらべ、日本は思わしくないと考えている。それゆえ韓国人は、ドイツが機会のあるたびに日本に向かって、「過去を誠実に反省し謝罪しろ」と手厳しく戒めることを願うのだ。

結局、メルケルの訪日に関して、韓国側の方で関心が爆発したのは、メルケルの戒めにより、国際的におとしめられる日本の姿も見ることができるという、韓国人の期待感が反映した結果である。