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ASCII.jp 「エルザのグラボってなんで高いの?」担当者に直撃してみた

エルザ ジャパンの三好さん(左)とユニットコムの大日方さん(右)。なお、エルザ ジャパンの技術Aさんは名前出し&顔出しNGとのこと。

どもどもジサトライッペイです。このたび、エルザ ジャパンと同社のグラフィックスボードを採用したBTOパソコンを販売するパソコン工房にインタビューする機会ができたので、おそらく多くのユーザーが長年気になっているであろう「あの疑問」を聞いてきました。お話をうかがったのは、エルザ ジャパンのセールスプロモーション担当 三好正行さんと、同社のTwitter(@ELSA_JAPAN)でおなじみの「技術A」こと、技術部の課長さん。そして、パソコン工房を全国で展開するユニットコムでBTOパソコンの企画・開発を担当する、大日方心哉さんです。

――まずは多くの自作PCユーザーが気になっている質問をうかがいます。ずばり、エルザのグラボってなんで高いんですか?

三好さん:いきなり直球ですね(笑)。実は弊社としては高くしているつもりはなく、適切な価格を設定させていただいていると思うんですが、まああのー、逆に言えば、我々、他社さんにはない取り組みをいろいろとさせてもらってますので、本日はそのあたりを中心にお話ししたほうがいいのかなと考えております。高いだけの理由がある、という感じでして……。

――やっぱり、お店で見たときに他社のグラボより高めだなって声が多いと思うんですよ。それは御社も実感としてございますか?

三好さん:店頭は我々も常にチェックはしていますので、そういう意味では価格がどのぐらいなのかというのは当然見てるんですが、価格云々ではないところで説明したいですね。ここからは私より弊社の技術Aから説明したほうがいいかなと思います。

――しつこく聞いてしまってすいません。では、その理由をお聞かせください。

技術Aさん:やはり1点目は製品の品質を重視しておりまして。例えば、弊社は中国の工場でグラフィックスボードを生産しているんですが、まずはその工場で品質検査をします。そして、工場から運ばれた後も、日本に飛行機で輸入される直前に現地で検査をしています。

――まずは中国で日本にやってくる前に2度の検査を経ているんですね。

技術Aさん:そうですね。いわゆる出荷用のバルクのパッキングがされる前に検査をするということですね。さらにGeForce GTXシリーズといったハイエンド製品は日本国内の弊社の倉庫に入ったら全数、外観検査と動作するかの検査をしております。GeForce GTシリーズといったローエンドの製品ではコストを考慮し、抜き取り検査でとどめてます。このような検査を経て、動作不良や外観の傷などが極力ないようなものをご提供できるように心がけています。

――なるほど。GTXシリーズは全数チェックなんですね。ちなみにローエンドモデルの抜き取り検査はどんな感じでされているのでしょう?

技術Aさん:抜き取り検査は20本中任意の1本を抜き取って検査しています。しかし、大幅にロットが変わる場合はローエンド製品でも入荷したものすべてを検査をしております。

――「ロットが変わる」というのはどういった状況なのでしょう?

技術Aさん:製造のタイミングですね。やはり、我々も一度に中国の工場で大量生産して、それを日本国内に持ってきますが、どうしても生産しないタイミングがあるんですね。例えば、中国の旧正月とか。そうなると、長期間工場が生産停止しているところから再操業することになるので、その場合は新ロットとして捉え、品質検査を再度全数行ないます。

――過去に作ったことのあるモデルだからって、2度目も同じ品質かっていうと、実際はそうじゃないかもしれないという可能性を考えているわけですね。

三好さん:まあ工業製品なので、そこはやっぱり厳しく見たほうがいいっていう考えが一般的にあると思うんですけども。それに則って我々も検査をしております。

――検査に次ぐ検査に次ぐ検査……というと、やっぱりそのぶんコスト、特に人件費が結構かかるということでしょうか?

技術Aさん:そこの部分もありますね。あともうひとつは、弊社はサポートセンターを自社内に設けておりまして、そこもやはりコストがかかってくるのかなと思います。売りっぱなしではなく、購入前・購入後、お客様のトラブル、質問を電話やメールでサポートできる体制を重要視しております。

ASCII.jp 「エルザのグラボってなんで高いの?」担当者に直撃してみた

――御社のサポートセンターは修理対応窓口だけではなく、いわゆる購入相談などの「お客様問い合わせセンター」も兼ねているということでしょうか?

技術Aさん:そうですね。購入相談も故障修理の受付もすべてサポートセンターで行なっております。また、お客様から動かないボードが返ってきましたら、社内で1枚1枚動作確認や検証などを行なっております。

――御社の自社内サポートセンターにあって、他社にない強みってございますか?

技術Aさん:やはり一番はほかのメーカー様はまあ、いわゆるヘッドクォーターというか、すべて開発は海外本社ですので、日本国内での販売はいわゆる、販売代理店さんが行なっていたり、日本国内にある支社の方がされているので、どうしてもサポートと開発の距離が離れてしまってます。しかし、我々はサポートセンターが技術部と同じビルの同じフロア―にございますので、密に連携できるんです。

――それは話が早そうですね。

技術Aさん:はい。例えば、今までなかったような初めてのトラブル報告があっても、それをすぐ私を含む技術部のメンバーが確認して、即時対応できる体制をとっておりますので、そこが他社との一番の違いかなと思いますね。修理対応にかかる時間をWEB上では「14営業日」とご案内しているんですが、最近の平均ですと、交換用の在庫があれば、ほぼ一週間以内にお客様のお手元に返せております。

――確かに、技術部とサポートが離れているとやりとりで時間がかかって、故障からの解決スピードが遅くなってしまいがちになりますよね。

技術Aさん:はい。多いのがサポートセンターの電話窓口が、お客様の問い合わせに対して定型文での回答のみというケースですね。それで解決しない場合は「さらにお時間ください」という形になってしまうと思うんですが、我々はそのようなことが極力ないように、問い合わせに関して迅速に対応できるような体制にしています。

――お問い合わせセンターで技術に詳しくない方がマニュアルに基づいて受け答えしてると、技術に明るいユーザーさんからしたら、ちょっとイライラっとしたりするもんですよね。

三好さん:サポートって面でもうひとつ付け加えさせていただくと、弊社のサポートスタッフって基本的にGeForceもQuadroも両方受け持つんですね。他社さんにあるような「こちらの製品ですと別の者が担当で……」ってことがなくってですね。いわゆるBtoBで日常的にやっているサポート業務に精通した人間が、そのままGeForceのユーザーさんも担当するので、非常に技術的に練度の高い対応ができてるんじゃないかなと考えております。

――強力なサポート体制ですね。

三好さん:実際イベントなどでユーザーの方とお話しする機会が結構あるんですけども、やはり弊社のユーザーさんというのは、「サポートが安心だから買う」っていう方が多いですね、あとは、「ずっとエルザを使い続けてるんだよ」っていうふうに、安心して使い続けられるから選んでいただいているっていう方も多いです。

――なるほど。ちなみに、御社の国内倉庫から販売代理店さんに出荷する前の動作チェックテストで動作不良の製品が出てきた場合はどうされるんですか?

技術Aさん:日本に到着する前に二重の出荷検査を通過しているので動作不良の製品はほぼありません。 国内到着時に動作不良と判定されるボードの本数は、年間の総生産数のうちでも片手で数えられるぐらいです。それでも出てしまった動作不良の製品はすべて工場に戻して徹底的に動作不良の原因を解析し、問題のないGPU、メモリーチップなどのみが再度製品になります。工場に製品を戻す原因の多くはボードやファンカバーのキズなどです。

――御社は中国の工場から「おい!こんぐらいのことで戻すんじゃないよ!」とか言われないんですか?

技術Aさん:それはありますね(笑)。いわゆる中国の工場が考える品質の安定と、弊社が考える品質の安定では若干の開きというか、考え方の違いはまだあるんです。もちろん、我々は譲りませんが(笑)。よくあるのは弊社のS.A.Cシリーズは金属のファンカバーを使っているんですが、そこに傷がついていることがあるんです。工場側は「これは生産上仕方なくついてしまった傷だ」と言ってくるんですが、こちら側は傷がついている製品はすべて除外していますね。

エルザ ジャパンのS.A.Cシリーズ。写真は「ELSA GeForce GTX 1080 Ti 11GB S.A.C」(GD1080-11GERTS)。

――厳しいチェックですね。もうこれで完全にどこらへんにコストがかかっているのか、十分に理解できました。ずばり、品質管理ですね。確かにエルザのグラボを使っていてすぐ壊れたって話、まあ聞いたことがないですね。

三好さん:なので「安心」を買っていただいているという理解でいいかと思います。

――グラフィックスボード、特にGTXシリーズって結構お値段するじゃないですか?でも長く使うものですから、最初にお金を惜しむよりかは多少その時高かろうが安心を買ったほうが結果、買い替えせずに安上がりで済むということですね。